DUO3.0は英語学習者の中でとても評判が良い優良な教材です。
私も何度も反復して練習したので私の英単語力の半分はDUO3.0で作られていると考えても良いと言えるでしょう。
しかし、DUO3.0がこれから英語学習を始める初心者にもおすすめできる単語本かと言えば全力で「No!」です。
DUO3.0は基礎の学習を終えた人がしないと挫折してしまいますし、効果的に利用できませんので、ここではDUO3.0が初心者には無理な理由とその使い方についてまとめています。
DUO3.0は英語の初心者には無理な理由
私は自分の経験やDUOを挫折した多くの留学生の結果からも何があっても初心者にDUO3.0をお勧めするようなことはありません。
しかし、多少英語が話せる留学生などがまったく英語が話せない初心者に相談された時に
「単語なんてDUOだけ何十回もやっとけば良いよ!」
と勧めている場面には何度も遭遇しています。
DUO3.0は英語の初心者には無理だという理由は2つです。
●英語の初心者には難しすぎる
●英語の初心者には情報過多すぎる
DUO3.0は英語の初心者には難しすぎる
まずは論より証拠です。
DUO3.0の1ページ目、一番最初に出てくる単語を見てみましょう。
一番最初の単語が「Respect:~を尊敬する」から始まります。
リスペクト自体は日本語でもあるので、難しくはありませんが問題はそれが使われている例文です。
We must respect the will of individual.
個人の意思は尊重しなければいけない
こんな難しい例文を初心者が見たところで理解できる訳がありません。
むしろ、中級レベルの人でも英文だけ見ると「ん?どういう意味?」となる人もいるでしょう。
さらに言えば、もしこの例文が日本語で書かれていたとして、DUO3.0を学習した経験無しに英訳できるレベルの中級者なんて数える程度でしょう。
DUO3.0は英語の初心者には情報過多すぎる
DUO3.0の良いところは一つの単語に対して「類似語」「反意語」「熟語」」「例文」などあらゆる情報が網羅されているところです。
しかし、これから英語を勉強する初心者には情報量が多すぎて混乱すること間違い無しです。
DUOには1600個の重要単語が紹介されていて、本当に使える単語ばかりです。
DUOの単語は必ず覚えておいた方が良い単語なのでいつかは覚える必要があるでしょう。
ただ、今から英語を覚えて英会話ができるようになりたい初心者には不要です。
DUOを一冊覚えて英会話の練習をする人と、何もせずに英会話の練習を始めた人であれば後者の方が圧倒的に早く英語を話せるようになりますね。
早く英会話を話せるようになりたいなら単語は不要
初心者が早く英語を話せるようになりたいのであれば「単語をたくさん覚える」というような学習は不要です。
何故かと言えば英語の初心者にとっては、教材に出てくる単語だけで簡単な日常英会話であれば十分に英語が話せるようになるからです。
例えば、私がいつもお勧めしているカランメソッドのステージ1からステージ4でも約1,000個の単語が登場します。
ステ-ジ | 平均学習時間(累積) | 単語数(累積) |
---|---|---|
ステ-ジ1 | 10時間 | 253 |
ステ-ジ2 | 10時間(20) | 242 |
ステ-ジ3 | 10時間(30) | 255 |
ステ-ジ4 | 10時間(40) | 209(959) |
さらに、初心者であれば必ずしなければいけない中学3年間の文法を学習する上でも800個から1200個の単語が登場します。
簡単な日常英会話だけであれば、1,000語もあれば十分です。
ペラペラを目指したければ、まずは簡単な日常英会話を身に付けて、それから単語や熟語などを増やして行けば良いだけです。
そうすれば、とりあえず外国人に話しかけられて、スムーズではなくても困らない程度の英語力が先に身に付きます。
要は、初期段階では勉強することが目的ではなく、とりあえず簡単な英会話を身に付けることが目的なので、必要以上の勉強をする必要はないということですね。
初心者はDUO3.0の前に基礎文法と簡単な英文ドリル
単語力は後ほど必ず必要にはなりますが、これから英語の勉強を始める初心者は順序よく学習するのがおすすめです。
中学文法のおさらい
まずは、こちらの文法教材をキチンと理解できるまで繰り返しましょう。
本当に簡単な内容ですが、ここがしっかりと出来ていないとアウトです。
最低でも3周は繰り返して掲載されている例文などはすべて理解できるように頑張りましょう。
中学文法の短文ドリル
中学文法が終わった段階で、中学文法を使った短文ドリルを行います。
この2冊については、こちらでもご紹介しているのでご参考にどうぞ。
英会話の習得を目指すのであればこちらでご紹介している3冊目もしっかりと取り組むことを強くオススメしますが、飽きてしまった人はオンライン英会話に進んでも大丈夫です。
英会話の習得を目指すならオンライン英会話
TOEICなどの試験対策ではなく、英会話の習得を目指すのであれば上記の教材が終わった段階でオンライン英会話をするのがおすすめですね。
試験対策をするのであれば、ここから対策用の学習に入りますが、英会話目的であればここまでで身につけた英語を使えるように練習した方がてっとり早く英語が話せるようになります。
ここまで終えれば初心者でも「間違えながらも何とか話せる英語力」が身に付きます。
もちろん、まだまだ話せるとは言えないレベルでこの先に行き詰まりを感じるはずです。
ただ、それなりに頑張っても1,000時間程度のはずですので「出来ない」と言うにはまだまだ早過ぎる段階です。
初心者が1年掛けて1,000時間勉強しても、学生時代にしっかりと勉強していた人に追いついた程度のレベルですからね。
初級レベルを終えてからDUO3.0に取り組む
中学の基礎文法、短文ドリル、オンライン英会話で英語の使い慣れをこなせばようやくDUO3.0の出番です。
もちろん、頑張りによりますが、ここでDUO3.0を徹底的に頑張ることで爆発的に英語力があがります。
日常英会話に使われる単語はもちろん困ることは無くなりますし、TOEIC対策の単語学習をしていなくてもTOEICも650点から700点位までは取れるようになります。
あくまで、英会話のついでにTOEICも上がる程度に考えて下さい。
DUO3.0で身につく英語力
DUO3.0の裏表紙にはこれくらいの英語力が身につくと記載されています。
●TOEIC=600から780点
●TOEFL=60〜90点
●英検=準一級レベル
先にご紹介した基礎の学習を終わった段階でTOEIC対策なしに500点前後は取れますし、テストに慣れてテクニックを身に着ければ600点前後も可能です。
そこからDUO3.0に取り組めば、だいたい700点越えくらいは取得できます。
DUO3.0は復習用CDが必須アイテム
DUO3.0を本だけ購入して、CDを利用していない人が非常に多いです。
しかし、DUO3.0の単語学習では復習用CDが無いと何の意味もないレベルで必須アイテムですね。
DUO3.0の学習方法は単純ですが、大体DUO3.0だけで少なくても300時間ほどは掛かるのが平均的になるでしょう。
1.覚えようとせずに一通り読む
2.CDを聞いて音で理解できるか確認する
3.もう一度声に出して読みながら「完璧に知っている単語」「よく知らない単語」をマーカーや独自の記号を付けて仕分けする。
4.知らない単語をメインに一通り読むことを繰り返し、読まない時間はCDの音源を繰り返し聞く。類義語などはこの時点では気にしない。
5.全体の6割~7割が完璧に知ってる状態になった段階で類義語なども意識して読む。
例えばDUO3.0では100周すれば良いなどと書いていることもありますが、100回読んですべて覚えてもそのうち忘れますので終わりはありません。
言ってみれば完璧を目指すのはキツイですし、多くの人が挫折してしまいますので全体の8割も理解出来るようになればステップアップしてOKくらいの気持ちで良いですね。
慣れて来たらCDをシャドーイングするだけでも大丈夫ですし、最悪聞き流しているだけでも何もしないよりはマシです。
IELTSなどを目的にしない限りスペル間違いは気にする必要はありませんが、余裕があればディクテーションをすると更に効果的です。
まとめ
良く留学生に感想を聞いたり、協力してもらった留学体験を読んでいると
単語は日本で覚えてくるべき
話したくても単語が出てこないので英会話は単語力だと思った
などと言った感想がありますが、確かにその意見にも一理あります。
ただ、どちらかと言えば、上手に話せない理由は単語力が無いからではなく
「基礎を使いこなせていない」
「圧倒的に実践での練習量が足りていない」
こういった要素の方が大きいです。
特に学校の先生や英語力が怪しい留学生同士での会話はあくまで練習で実践ではありません。
気を使わない人とどれだけ話せるという実践を多くこなさないといけませんので、オンライン英会話である程度話せるようになったら実践に目を向けましょう。
とにかく、まずは基本的な英会話の習得を目指して、伸び止まったらDUO3.0を使ったインプットと効果的な学習をして最短距離を進みましょう。