初心者が最短で最低限の英語が話せて、ある程度のリスニング力が身に付くカランメソッドですが、デメリットになることも当然ありますね。
しかし、カランメソッドを提供しているオンラインスクールでもデメリットになるようなことは何も書かれていないので口コミで探すのも大変です。
ここでは、語学学校でカランメソッドを提供する側にいた私の経験から、カランメソッド嫌い派の人達が書いているカランメソッドのデメリットをまとめてみました。
カランメソッドのデメリット
●教える方も教わる方も授業が面白くないし退屈
●日常で使えるような自然な英語ではない
●30年も40年も前のテキストを使っていて使われていない言葉が多すぎる
●英語初心者向けではない
●人それぞれタイプが違うのに一つのメソッドで縛るのは無理がある
●文法の説明の例文が興味なさ過ぎてめんどくさい
●イギリス英語じゃなくてアメリカ英語がやりたい
●難易度が急に上がって難しすぎる
●1年掛けてステージ12までやったけど話せるようにならなかった
では、本当にこれらがデメリットなのか、まったく英語が話せない初心者の時に毎日6ヶ月続け、フィリピン留学で2年間カランメソッドの授業に関わっていた私の視点から説明してみたいと思います。
カランメソッドは面白くないし退屈
カランメソッドを教える方が退屈というのは仕事なのでどうでも良い話ですが、受講者の方もレッスンが面白くないのは間違いありません。
しかも、カランは本気でやればやるほど、単調な反復練習になるので面白い訳がありません。
しかし。
高校球児が毎日バットの素振りを100本していて楽しいと思っているでしょうか?
プロのサッカー選手が毎日フィジカルトレーニングをして楽しいと思っているでしょうか?
もちろん、楽しいと思っているMな人も中には居ると思います。
しかし、こういった地道なトレーニングは大多数の人が将来の為、これから強くなる為にしなければいけないからしているはずです。
数ヶ月、年単位で血の滲むような努力をして、その「努力が実った時に自分がどうなるか?」という楽しみの為に続けています。
もちろん、楽しむことはとても大切なので英語の学習も最初の内は楽しんでやれば良いです。
ただ、一定レベルを越えてくると授業が楽しいから続けているではいつまで経っても話せるようになりません。
カランメソッドは日常英会話では使えない
カランメソッドで授業を受けていると先生がよくこんな事を言います。
全てがそうとは言いませんが、確かにこんなの絶対に使わないだろうという文章は多々あります。
例えば。
先生:Have you more fingers than thumbs on your hands?
あなたの手には親指よりも、多くの指がありますか?
生徒:Yes, I’ve more fingers than thumbs on my hands.
はい、私の手には親指よりも、多くの指があります。
たしかにこんな質問使わないですよね。
ただこのような変な質問にはしっかりとした理由があります。
何かといえば、カランメソッドでは身近なモノを利用してイメージしやすくすることで、理解しやすいように設計されています。
特別な理由がない限り一般的な認識では手には親指が1本、その他の指が4本というのは動かない事実なのでイメージはしやすいです。
この文章だけ見るとおかしな質問と思うかも知れませんが、まったく同じ構文で次のような文章もしっかりと出てくるのでイメージで理解が簡単になるということです。
このような質問も同じです。
先生:Are there more people in a town than in a village?
街には村より多くの人がいますか?
生徒:Yes, there are more people in a town than in a village.
はい、街には村より多くの人がいます。
カランメソッドはテキストが古い
カランメソッドはテキストの内容が古いというのはよく言われます。
確かに、私が受講していた頃は本当に訳のわからない古い文章が使われていましたね。
しかし、カランのテキストは2012年に改定されていますので、この問題についてはすでに解決済みです。
ただ、大雑把に言ってしまえば基本的な構文なんて何年経っても同じです。
50歳の人が話す日本語と20歳の人が話す日本語では確かに意味が通じない単語もあるかも知れません。
しかし、誰にでも認識される普通の言葉で話せば年齢によって違いはありませんよね。
教材なんて多少古くても言語を学ぶのであればそれほど気にすることではありません。
カランメソッドは初心者向けではない
よくカランメソッドは少し話せるようになった中級者向けという方がいます。
しかし、どこからどう見てもカランメソッドは初心者向けです。
カランメソッドは、初級者が手っ取り早く最低限話せるようになり、聞けるようになるためのトレーニングです。
すでに、ある程度話せるようになった中級者には必要ありません。
なぜこういったことがデメリットだと言われるかと言えば、大きな勘違いがあるからですね。
例えば、カランメソッドの教材はステージ1からステージ12までありますが、ステージ5に入った辺りから急に難しくなります。
カランの授業はスピーディに進むので、初心者でも40時間から50時間でステージ5のレベルに到達してしまうのですが、そんな短い時間で対応できるレベルではありません。
なので、多くの人がステージ5からステージ6で挫折して止めてしまう結果となりますね。
それが「難しい」と言われてしまう原因です。
そこで、大事なことはまずステージ1から4を徹底的に繰り返して、このレベルをまずめちゃくちゃ簡単過ぎるというレベルまで使いこなせるようにすることです。
この低いレベルが使いこなせていないのに次々に先へ進むスタイルでは、難易度に追いつける訳がありません。
カランメソッドをするために重要なことは、これから練習するステージの教材の中身を見て全て文章が理解できる状態になってから取り掛かるのが重要なポイントです。
と言っても、私はステージ4から上はする必要が無いと考えていますので、やはり初心者に最適な教材だと言えます。
カランメソッドは合わない人も少なくない
カランメソッドのようなダイレクトメソッドは合わない人もたくさんいます。
ただ、合わない人の中には先に書いたような理由を上げる人がほとんどで、カランメソッドの本質を理解していない人が多いのも事実です。
適当なフリートークのレッスンを受けて永遠に話せない人が多いですが、カランは長年の実績が有り、多くの人が効果を得ているのは間違いありません。
勉強、スポーツ、科学など大抵のことには基本があり、その基本にはオリジナル性なんて必要ありませんので、基本が身に付くまでは一つに縛られても仕方ないですね。
カランメソッドは文法の説明が興味なさ過ぎてめんどくさい
カランメソッドは文法のパートがあり、それがめんどくさいというのは心の底から同意します。
文法の説明パートはカランメソッドで一番不要なパートだと思います。
文法なんて日本語で理解出来ていれば、英語で説明しないと理由はありません。
一番イラッとするのは、文法の説明を英語で出来ないと
「あ、この生徒は文法が理解出来ていないんだ」
と判断して、文法の説明をしてくる先生ですね。
私はある程度慣れた時には文法の説明は全て飛ばして貰っていました。
カランメソッドはイギリス英語
私もカランを受講している時はアメリカ英語の方が良いと思っていましたが、今は気にならなくなりましたね。
一般的に日本人はアメリカ英語を中心に学習しているので、イギリス英語を「これ訛ってる」なんて言ってしまう人もいます。
さらには、「Can」の発音を「カン」というと「キャン」だと直してくる人もいます。
もちろん、そういったことを言う人は英語の知識が少ない人達なのですが、慣れていないので仕方ないですね。
世界に出れば両方の英語が使われているので、区別せずに学習した方が良いのは間違いありません。
●アメリカ英語寄りの国
アメリカ
フィリピン
日本
●イギリス英語寄りの国
ヨーロッパ諸国
カナダ(両方使う)
ロシア
アフリカ諸国
インド
シンガポール
香港
オーストラリア
ニュージーランド
最初は片方に絞った方が楽ですが、慣れればどちらも知っておいて損はありません。
カランメソッドで話せるようにならなかった
カランメソッドを終了させるのに必要な時間は平均して160時間とされています。
1年掛けてステージ12まで終わったとすると、1年で160時間カランメソッドをしたということです。
オンラインレッスンは1回25分なので、1年で合計384回の授業を受けたということですね。
大雑把に言えば毎日25分カランメソッドをしたという認識で良いでしょう。
そして、ハッキリ言いましょう。
その学習時間で話せるようになるのであれば、世の中の英会話教室は全て倒産しています。
しかも、毎日25分しているということは、日々どんどん新しいパートに進んでいるということですのでそれも無意味ですね。
習得することよりも教材を終わらせることを目指しても意味はありません。
また、先にもご紹介したように1年掛けてステージ1から4の繰り返しを続けていた方が、もう少し良い結果が出ていたはずです。
しかし、カランメソッドは基本的に1年も2年も掛けてダラダラ続ける学習法ではありません。
しっかりと時間を確保して3ヶ月程度で終わらせるのが最も効率が良い方法です。
私のオススメは3ヶ月でステージ1~ステージ4だけを徹底的に繰り返すことです。
ただ、カランメソッドには公式認定校と非認定校で大きなメリットの違いがあるので注意しましょう。
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